フェアトレード連載【第三回】
フェアトレードマーケットが広がらないのはなぜか

学校長と議論[フェアトレード学校長と議論する筆者]

日本でフェアトレードマーケットが広がらないのはなぜか
フェアトレードの仕組みそのものは南北問題を解決する上で大変有効な取り組みであることはご理解頂けたと思います。ここで日本のフェアトレード認証製品のマーケット規模を見てみると、驚くことにわずか94億円しかなく、先進国では毎年最下位となっています。ちなみに1位のイギリスではおよそ2500億円ほどのフェアトレードマーケットが存在していると言われています。なぜここまで差があるのでしょうか。日本人は社会貢献に無頓着だからなのでしょうか。

最大の理由として、日本で販売されているフェアトレード認証製品の種類が他国に比べて圧倒的に少ないことが挙げられます。世界で30000種類以上のフェアトレード製品が販売されているのに対して日本ではわずか500種類程度の製品しか販売されていません。前に述べたような基準を全て守る必要がありますのでフェアトレードと認証されるためのハードルが高く、簡単にサプライチェーンを構築することができないからです。

特に綿製品においては、綿花から始まり、紡績、紡織、染色、プリント、縫製と全てに認証取得が必要です。その昔は国際認証を取得していない製品でも「フェアトレード製品」と謳い販売していることもありましたが、最近はソーシャルメディアが発達し小売店も説明責任を負うようになりました。特に有力百貨店などでは国際認証を取得していない物は「フェアトレード製品」として扱うことをやめ厳格な定義のない、「エシカル」(倫理的)な商品として販売することが多くなってきました。エシカルには国際フェアトレード認証のような認証制度はありませんので消費者に対してどのように透明性を担保するのかが今後の課題といえるでしょう。いずれにしても日本がフェアトレードを通じて国際社会に貢献し認められるためには、当社のようなメーカーが認証製品をもっと開発し、消費者の選択肢を広げ、選んで頂くことが重要であると考えています。